'00/9/16 sat  シドニーオリンピック開幕

 せわしく流れた夏も行き、さわやかな秋のおとずれを楽しみにしていたのに、この一週間の東京は 雨風吹き荒れる日々が続いていて、まるで梅雨どきを思わせるじめじめ感。早いとこ カラッとした秋空のもと、少しの肌寒さを感じながら散歩したいものです。

 んで、ちょっと時間が取れたので、荒熊は、壺を割ってみたり、たんすを調べてみたり、世界の王様たちに会ったり、時折り「ベホイミ」とか叫んだりしてます。


 さて、いよいよ始まった、シドニー・オリンピック。

 ついさっき、柔道の48kg級女子・田村亮子選手が金メダルを取りました。いやぁ、かっこよかった、あの「一本」は。テレビに向かって 思わず拍手喝采。

 オリンピック。

 柔道、水泳、陸上競技、野球、サッカー..... 注目すべき種目はもちろんたくさんあるのだけど、それとは別の視点で、荒熊が最も注目しているのは、

開会式 だ。

 世界中の人々にあれだけパワフルなメッセージを、(半 強制的に) 送りつける舞台というのはそうそうあるもんじゃない。


 今回のオリンピック開会式。最も重要なテーマは「民族」だろうと受け止めました。アボリジニーに対する敬愛を主体として、全世界の「民族」に対する敬愛の念を強く感じたんだ。


 「民族」を「意識」することは、人種を明確に区別することにつながっている。そして、人種を区別しお互いを認め合うということを、明確にうたったパフォーマンスだったんじゃないかな。


 区別することの重要性。それが決して差別にはつながってはいない (つなげてはいけない) ことの訴求。そんなメッセージを、強く感じたのであります。


 そして、この開会式の中で 何よりも素晴らしかったのは、「聖火の点火」につきますなぁ。

 勇ましく流れ来る水を受け止める泉。その中央で火を放つ聖火ランナー。


 「水」と「火」という、非固体のものを幻想的に組み合わせた演出。画像が欲しいだけだったら、実写へのCG合成で作るんじゃないかと思うような一連のイメージを、現実の場で繰り広げたあのダイナミックさには、体の血流が早く回っているのが分かるほどに感化されてしまった。

 それは、ひとつの要素だけでは語れない、複合的に絡み合った要素を受け止めたからだろう。世界の民族の心に共有される自然の尊さ。あらゆる事象の起源をイメージさせる「水」と「火」。バーチャル世界が当たり前になってしまった今、現実で実現することの意義。壮大な舞台をどこかの誰かが演出していることへの敬意と憧れ。...... ホントに様々なこと。


 そういえば、2008年のオリンピックは、大阪が招致活動をしているんだよね。ぜひとも 実現を願いたいところ。もしも 日本が夏季オリンピックを主導したら、いったいどんなテーマで、どんな感動を与えてくれるんだろう。(漠然と 期待薄なのが、非常に悲しいけれど。)

 招致の競争相手に 北京も名乗りを挙げているとか。この時期、中国のパフォーマンスというのも、それはそれで見てみたい気がするなぁ。


このページの画像は、NHK BS放送から引用しました。
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