'01/6/16 sat  ジョニーくん

 今日は、半そでシャツでも買おうかと ちょいと買い物にでかけたのだけど、横浜の桜木町に向かう根岸線の中で、ハッピーなカップルがハッピーなトークを繰り広げておりました。


「桜木町に着いたら、まず、どこ行こっか?」
「えぇとー、んー、ガーデンスクエアで洋服でも見ようよ。」
「なんだよ、ガーデンスクエアって?」
「あれ? 違ったっけ?」
「クイーンズガーデンだろ、あそこは。」
「あ、そうそう。あははは。クイーンズガーデン。あはは。」

あははは じゃ ありません。
あそこは、クイーンズスクエア です。


 そんなハッピーな時を演出した根岸線も、桜木町に着いてしまいました。残念ながらあの二人は、最後まで「クイーンズガーデン」であることを信じてやまなかったようであります。

 何かを信じることには それなりのリスクを伴うんだということに、いつか彼らは気づくことでしょう。


 さて、桜木町の駅を降りて少し歩いたところで、荒熊は、またもや あいつに出会ってしまいました。

 あるときは新宿の南口で。
 あるときは新橋の駅前で。
 忘れたころに出会ってしまうあいつ。

ジョニーくんに出会ってしまったのだ。

 いつもなら別に何もないような場所に、なにやら人だかりができているではありませんか。そう、その人だかりの中心に、ジョニーくんは居たのであります。


中心に居るのが 「ジョニーくん」 だ!


 で、「ジョニーくん」っちゅーのは何かというと、ひとつ 1,000円で売っている手品の小道具なのだ。これが、目の前で、ばかみたいに売れまくっていたんだなぁ。

ジョニーくんは、こんな感じで袋詰めになって販売されている。

「ジョニーくん」を売る ちょっとアヤしい外国人。


 ジョニーくんは、ペラペラの紙にピエロのような絵が印刷されている「体」に、フエルトのようなものでできている「足」が ひものようなものでつながっていて、どう考えても 50円くらいで作れちゃうんじゃないかというシロモノなのだけど、

はっきり言って、ジョニーくんは すごい。

 ジョニーくんは、その足で立って、ふらふらと踊っているように動くのだ。

さらには!

 アヤしい外国人が「ジャンプ」と言うと、ジョニーくんはジャンプするのだ!
 アヤしい外国人が「宙返り」と言うと、ジョニーくんは宙返りするのだ!
 アヤしい外国人が「バン!」と言うと、ジョニーくんは倒れるのだ!


立っているジョニーくん
倒れているジョニーくん

ジョニーくんの動く映像 (MPEG 344KB)


 悔しいことに、どうやってジョニーくんが動いているのか、どうやってアヤしい外国人の言うことを聞いているのか、まったくわからないんだなぁ、これが。

 まぁ、糸で吊っているのには間違いないと思うんだけど、ホントに全然見えないんだ。で、糸で吊るとすると、ジョニーくんの高さよりも上に何かがなきゃいけないはずなんだけど、上には何もないから、横に置いてある 少し背の高いカバンがポイントなのかなぁ。んでもって、アヤしい外国人のほかに、この人だかりの中の誰かが ジョニーくんを操作しているんじゃないかと勘ぐるものの、そんな素振りを見せる人は どーも見当たらないのだ。うむむ。


 ジョニーくんに出会うたびに、荒熊は葛藤してしまう。

ジョニーくんを買うべきだろか?

 確かに、その不思議さや楽しさ、それを見せてくれるパフォーマンスに対して、1,000円の価値を認めてもいいかなぁなんて思ってたりするんだな。でもさ、きっと、タネを知ったら がっかりするんじゃないかなぁ。このまま 知らないで居る方が、また、どこかの街角でジョニーくんに会うのが楽しみだし、ワクワクするし。

 そんなワケで、荒熊は 賭けをしてみたのだ。クイーンズスクエアに買い物に行った帰りに、まだ ジョニーくんがここに居たら、1,000円を払って連れて帰ろうと。

 さて、その賭けの結果は。

ジョニーくんは居ませんでした。

 うーむ。また 会えるよね。