'99/12/12 sun  ヒョャ

 どもどもども、ごぶさたしております、荒熊であります。

 時間が足りないときはとことん足りなくなるもんで、年の瀬ってのはどーしてこうも、いろんなことをやってるんだろ と思うんですなぁ。まぁ、やらなくちゃいけないことも多いんだけど、それにもまして やりたいことが多くなっちゃう時期な気もして、ま、自業自得といったところでしょかねぇ。

 そうそう。最近、ちょっと困ったことがあるんですわ。

 超常現象と言うんだろか。いつもは聞こえない音が聞こえてしまうのだ。それは、何気なく歩いているとき、

「ヒョャ、ヒョャ」

と、耳慣れない音がどこからともなく聞こえてくる。

 最初はそんなに気にしていなかったのだが、明らかにその音はオイラを追うようについてくることに気づき、そして、オイラの軽やかなステップに合わせるようにリズムを刻んでいることが分かった。

 ふと足元を見つめ、片足ずつ地を踏みしめてみると、右足が地についたその瞬間、

「ヒョャ」

その音は轟いた。

 轟くと言えば、びっくり日本新記録の「轟二郎」はいまごろ何をしているのだろう。いや、そんなことはどうでもいい。そうなのだ。その怪音はオイラの足元から聞こえていたのだ。すなわち、

サンダルがピコピコ化してしまったのだ!


 これは困った。このサンダル、上履きとして毎日毎日履いているものなのだ。残念なことにオイラは、ピコピコサンダルで喜ぶほど単純な男ではなかった。いや、きっとまわりに誰も居ないのであればピコピコやって喜んでいるのだが、人並みに体裁を気にする社会協調性のある男だったのだ。はは。

 そんなわけで、もしもオイラを見つけて、右足のかかとを気にして、なんとなーく妙な歩き方をしているのに気がついても、

「あれ? 足 ケガしたの?」

などと声をかけないでくれぃ。それは「ヒョャ」を出さないためなのだ。