昔は，トイレットペーパーに切り取り線などなかった．

　あの切り取り線が許せないのだ．

オイラの愛用しているトイレットペーパーは，
株式会社クレシアのスコッティシリーズ

　スコット フレグランス シングル

である．

銘柄は 実はどうでもいいのだが，
ポイントは「シングル」というところにある．

「ダブル」を使った場合，どうもなくなるのが早い気がするのだ．
理論的にいうと，半分の長さで事足りるところを，
それ以上使ってしまうという落とし穴がある と 考える．

さて，そういうわけで「シングル」を使うのだが，

　問題は あの切り取り線 だ．

別に，切り取り線で切らなくてもいいのに，

　無意識のうちに
　　　切り取り線で切っているのではないか？

オイラの愛用している 「スコット フレグランス シングル」は，
225mm毎に 切り取り線が入っている．

オイラは無意識の内に，４つめの切り取り線で切っていた．

つまり900mmが一回の使用分である．

もし，切り取り線がなかったら，
もしかすると，もう少し短い長さで使っているかも知れないのに，
あの切り取り線があることによって，
　900mmという長さを強要されるのだ！

さて，この長さはどういう長さかというと，
手の平で くるくるっと丸めると，ちょうど８枚重ねになる．
　　　←これが８枚重ねの概要図

　意外と的を射ている厚さかも知れない．

愛用している以上，この「スコット フレグランス シングル」は
許そうと思う．

許せないことは，次の事件から生まれたのだ．

ある日，古紙回収のトラックがやってきた．
ちょうどたまっていた古新聞を出したのだが，
古紙回収業のオヤジは，トイレットペーパーを置いていった．

「ふぅ，片付いたぁ」と 腰を下ろした時，気づいてしまった．

　このトイレットペーパーは ダブルだ！

そう，オイラの嫌いな「ダブル」だった．
もらい物にケチをつけてもしょうがないので，もちろん使用させてもらった．

　いつもの半分でいいんだぞ．

と 自分にいい聞かせて 切り取り線で切った．

シングルのときは４つ目の切り取り線で切ったのに対し，
無意識であったにも関わらず，２つ目の切り取り線で切っていた！

　素晴らしい．

拍手喝采である．もくろみ通りだ．ズバリ半分なのだ．

しかし，それは いつもより厚いような気がした．
その長さは，手の平でくるくるっと丸めた時に，
５回重ね (すなわち ダブルなので １０枚重ね) になっていた！
　　　←これが１０枚重ねの概要図

　そんなはずはない！

シングルで 切り取り線４つ目で切れば ８枚重ねなのだから，
ダブルで 切り取り線２つ目で切れば ８枚重ねになるはずなのに！

早速 詳細な調査が必要だった．

なんと，このトイレットペーパーは，
290mm毎に切り取り線がついていたのだ！

そのおかげで，

　1160mmもの長さになっている！

「スコット フレグランス シングル」は 225mm毎だったから，
900mmで済んでいたのだが，260mmもの差が生まれたのだ！
１０枚重ねになってしまった秘密を，ここに見いだすことができよう．

そこで，悩んだのだ．
このダブルのトイレットペーパーで，

　８枚重ねを実現するにはどうするのだ？

あの切り取り線が存在し，
かつ，無意識にあの切り取り線で切ってしまうのであれば，
それは不可能であることを宣言しなければならない．

オイラは，ここにメーカー側の大きな計略を感じた．

　切り取り線の入れ方ひとつで
　　　使用者の意図に関係なく
　　　　　使用する長さを指定できるのだ！

すなわち，長めに使わせることによって，
トイレットペーパーの消費を早め，
トイレットペーパーの売上を伸ばすことが可能だ！

　なんと恐ろしい計略なんだ……

こんな計略に はまっていていいのか！

あの切り取り線が許せないのだ！