夜の舗道が許せない!
お題提供者:荒熊 '96/11/11
秋も深まって,少し肌寒かった月曜日の夜.
残業を終えて帰路を目指した.
ふ〜っ.
今日も東京フレンドパークIIが
見られなかったな...
「ホンジャマカの石塚君っぽいよね.」
と言われたことのある荒熊は,
彼の唯一のレギュラー番組である
「東京フレンドパークII」を見ることにしているのだ.
「東京フレンドパークII」といえば相原勇だ.
相原勇は,
いつの間に番組を降りたのだろう?
いつの間にか,
光るパッドを叩く彼女の姿がなくなっているのだ.
だいたい,
彼女があんなアシスタントをしていたこと自体が
おかしかった.
彼女以外のアシスタントは
他の番組では全く見たこともないのに,
相原勇が同等の扱いをされていたのは
許されることだったのだろうか?
そりゃぁ,曙に悩みを打ち明けるってもんだろう.
.......そんなことを考えていると,
電車は,品川→錦糸町→市川→津田沼と,
順調に住みかへと近づいていくのだった.
あぁ,ようやく今日が終わる....
一日の中で一番疲れているのがこの時間だ.
学生のころは,
「疲れる」ことの実感があまりなかったのだが,
働きだしてからは,
「体」が「疲れのメーター」になっていることがよくわかる.
さぁて,帰るぞぉ!
自宅の最寄り駅に到着した.
駅から家までは5分.
足早に,家路を急いだ.
そう,
あの事件はここから始まったのだ.
家まで 300m ほどのところで,
細い路地から
二十代と思われる女性が飛び出してきた.
その女性は,
オイラに背を向けて,
駆け足で離れていった.
「なに急いでんだろ?」
夜の舗道は薄暗くて,
女性が一人で歩くのは危険なのだろうか.
見渡す限り,目の前を駆けている女性と,
家路を急ぐ足早なオイラ以外に人影は見えなかった.
そこへ,
向う側の交差点から,
こっちに向かって,
三十代位の男性が歩いてきた.
そして,その男性が,
駆け足の女性とすれ違う瞬間のこと.
男性は,突然,女性に話しかけたのだ.
「追いかけられてるんですか?」
女性は答えた.
「いえ,違います.すいませ〜ん」
おい..........
ちょっと待て....
オレの立場はどうなってるんだ!!!
世の中には「えん罪」というものがある.
そういった場合は,
誤った疑いをかけられた者に対して,
何らかの謝罪があるのが道理である.
しかし,今回のこの事件を考えると,
疑いをかけられた者に対する
謝罪はかけらもないのだ.
それだけではない。
女性は あの男性に対して「すいません」と言ったのだ。
謝罪する相手を間違えちゃぁいないかい?
何ということだ!
こんなことが許されるはずがない!
あの男性が許せないのではないのだ.
もちろん,あの女性が許せないのでもないのだ.
そのような疑いを演出してしまう
夜の舗道が許せないのだ!!!
皆さんの判断に期待しよう.
arakuma@arakuma.com
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